高岡駅を起点とする3つのローカル線
富山県の西部、富山市の西側に位置する高岡市は、複数の鉄道会社路線が入っており、特に高岡駅はターミナルとしての役割を担っています。
もともとは北陸本線だった路線が北陸新幹線の開業であいの風とやま鉄道に変わり、JRとして残された氷見線と城端線、及びかつての加越能鉄道・今の万葉線が乗り入れています。
今回は高岡駅を起点に各線を乗り通してみました。
万葉線
高岡駅の中まで乗り入れてきた路面電車
まずは万葉線に乗車します。
高岡駅から越ノ潟までの12.9kmで途中に24駅(停留場)があります。
正式には高岡駅~六渡寺が高岡軌道線、六渡寺~越ノ潟が新湊港線と分けられており、概ね道路と一緒に走る軌道区間と専用軌道を走る区間と同じ感じです。
高岡駅停留場は2014年の春に高岡駅前停留場から100mほど延長して高岡駅ビルの1Fの一角に出来たもので、これによって乗り換えがラクになっています。
おおむね15分に1本の割合で出ており、複線区間においてはすれ違いもよく見られ、車両も一般的な路面電車と低床車が混在しているので何がくるか楽しみなところもあります。
2022年10月23日(日)、7時ちょうど発の越ノ潟行きはいわゆる路面電車風。乗客は自分一人だけという意外な展開で始まります。
米島口まで
高岡駅を出て時計回りに旧高岡駅前停留場跡を過ぎ、左折して末広町を通過、次の片原町から広小路までは国道156号線の中を併用軌道で走っていきます。右側には高岡古城公園がずっと広がっていて、北の通りを東へと抜けていくと氷見線の越中中川駅に出るようになっています。
県道の上を一直線に走っていくので、おおよそ7分前後で反対列車とすれ違うのが見られます。
新能町停留場から氷見線の能町駅までは500メートルあまりで移動できます。
氷見線の能町から高岡までが8分190円、万葉線の新能町~高岡駅が21分250円なので、JRとコラボしたきっぷでも出ると便利なのにと思ったりもします。
次の米島口のところに車庫があり、古びた車両がまだ目覚めてないようでした。
専用軌道区間をいく
米島口から能町口までは1つのハイライト区間です。
専用軌道になって道路と分かれ、氷見線と貨物線の線路をまたいでいきながら能町口に着く4分ほどの間の変化は見どころ満載です。
再び併用軌道になって初期の車両が左側に展示されているのを眺めながら新吉久停留場を過ぎ、次の吉久停留場は道路上に安全地帯がペイントされただけの簡易なものでした。
中伏木の手前から再び専用軌道に戻って六渡寺に到着します。
単線区間になるので、駅での行き違い停車がところどころであります。
庄川を渡り新湊の街中へ
六渡寺を出ると庄川を渡って新湊(現在は射水市)の街中へと入っていきます。
駅名も新湊をつけているのが3つ(西新湊・中新湊・東新湊)もあります。
乗客が少し乗ってきたので、このまま終点から渡し船に乗って富山新港の東側へと抜けるのかな?と思われます。
終点より、あいの風プロムナード越ノ潟へ足を伸ばす
海が近づいてきて終点越ノ潟駅に定刻7:49に到着。高岡駅から24駅、約50分の旅でした。
運賃は400円で庄川口より先はずっと400円表示です。
ちなみに一日乗車券は900円、海王丸乗船のセットが1,100円となっています。
初乗り運賃が200円なので、単純往復なのかによって選択肢が変わります。
列車はすぐ折り返すので、15分後の後続までの間に急いで周囲観察をします。
目の前には富山県営渡し船が待っていますが、乗らないですと合図をするとゆっくりと出発していきました。
案内板に従い新港大橋プロムナードまで歩いていき、エレベーターで上がって海王丸や富山新港の眺めを見ながら急いで戻っていくと、ちょうど越ノ潟行きが到着しました。
越ノ潟から能町口まで乗車
帰りは渡し船から乗ってきた乗客数名と乗り込んで8:07発の電車で出発。
そのまま終点まで行くと、高岡駅手前での交通渋滞とかで少々遅れる可能性も考慮し、8:28に能町口で下車をして氷見線の能町駅を目指すことにします。こちらだと1キロほど歩くのですが、運賃が50円抑えられるので運動も兼ねて試してみました。
一本道なので迷うこともなく能町駅まで行け、8:40には能町駅に着きました。
城端線
氷見線の能町駅から高岡駅を目指し、乗り換えて城端線へ
8:48発の高岡行きは2両編成、オーソドックスなキハ40のボックスシートタイプでした。
古びたシートに座りながら高岡駅に着き、北側から南側にある城端線ホームへと急ぎます。
こちらもキハ40の2両編成でかなり混んでいましたが、次の新高岡で下車して少々空いてきます。
砺波である程度下車するので、ボックス席を1人で占有できるくらいになりました。
砺波から終点の城端へ
城端まで行くのは13年ぶりでした。
だいたい天気が悪い日に乗っているのですが、今回は初めて晴れたので車窓をのんびりとみていきます。さほど変化はないですが、城端まで来ると山が迫ってきてこれ以上は行けないなという感じです。
反対ホームには別の2両編成が待っていて、これが折り返し列車となるようです。
城端駅の様子
瓦作りの駅舎がいい雰囲気を出していました。
昔はあまり開けてなかったような感じだったのですが、世界遺産の合掌造りへのターミナル地としての役目もあるようです。
帰りはかなり混雑してくる
帰りは既に混雑しており、砺波に着くまでには座席が全て埋まるくらいになりました。
外国人の乗客も多いですが、地元に根付いている感じで観光という雰囲気ではなかったです。
多数の乗客は新高岡駅で下車し、AEONへとゾロゾロ歩いていくのがみてとれました。
終点高岡駅に到着。一旦外に出る時に秋の乗り放題パスで出ようとすると改札口で「どちらから乗られましたか?」と聞かれるので「城端から」とか言えるようにしておきましょう。(秋の乗り放題パスはJR側から富山までのあいの風とやま鉄道通過連絡のみ認められているため)
氷見線
途中でべるもんたと行き違う
再び氷見線の車両に乗り換えますが、こちらもかなり混んでいて、いかにも海産物目当てといった人たちが乗っていて、賑やか(ある意味うるさい)です。
こちらもキハ40の2両編成で、さすがに土日は1両だとキツイのかな?と思われます。
伏木駅で観光列車のべるもんたとすれ違いますが、あちらは満席の様子。
雨晴の景観
越中国分駅を出ると本当に突然に海岸線に出てきます。この変化は一見の価値がありますね。
雨晴海岸の景色を楽しみながら進んでいきます。雲が取れれば場合によっては北アルプスも眺められるのですがそうはいかなかったようです。
氷見駅の様子
氷見駅に到着し、折り返し列車でそのまま戻ります。
時間があれば歩いてマンガロードを通りながら氷見漁港へと向かうのですが、ちょっと残念。
屋根の装飾もブリが描かれていたり細かなところを見ていくとまだまだ奥が深そうです。
折り返してからあいの風とやま鉄道で富山へ
帰りの列車も氷見から既に多くの人が乗り込んで混雑しています。
お土産をたくさん網棚の上に乗せているので、新幹線で東京に戻るのかな?と思います。
高岡駅からはあいの風とやま鉄道の普通列車で富山駅へと抜けました。