富士~甲府38駅、88.4kmの長い旅
88.4kmを2時間43分かけてのんびりと走るローカル線
身延線とは
身延線は静岡県の富士と山梨県の甲府を結ぶ路線で、特急ふじかわも走っているのですがかなりの鈍足で88.4kmを1時間47分かかる(ふじかわ1号の場合)ので表定速度は49.57キロと50キロにも満たないレベルです。
※ちなみに浜松~静岡の76.9kmを1時間12分で結ぶ普通列車の表定速度は64.08キロです。
それだけ勾配や急カーブがあって速度が出せないのと、富士宮から甲府の間は単線区間というのもあります。
そしてこの間には駅が38もあるので、平均距離は2.32kmの間に1駅ある感じです。
これは東京~高尾間の平日快速列車、53.1kmに停車駅23からの平均距離2.31kmとほぼ同様なので、ちょっと走っては停まってが延々と繰り返されます。
特急ふじかわの場合は停車駅は10まで減ります。
実際に青春18きっぷで乗車してみました。
2022年4月9日(土)富士9:12発甲府行き 313系2両 混雑
富士~西富士宮
この日は天気も良く観光日和ということもあってか始発の富士駅で座席が全て埋まるくらいの混雑でした。
車両は313系のボックス型の2両編成ということも輪をかけていたかもしれませんが、いつもは閑散としているのに今日のようにボックス席が全部埋まるのはなかなか珍しいです。
ワンマン列車ということで、駅員がいない駅は先頭車両の前からしか降りられないので運転士さんも大変です。ちょっと乗り降りが遅れるとダイヤが乱れることもあり、無人駅はたいがい停車時間が1分に設定されています。(通常は15秒や30秒停車が多い)
この区間は富士宮までが複線ということもあり行き違い停車はありません。ただカーブが多く勾配も意外と急で富士宮にかけてグングンと上っていく感じが乗っているだけでも分かります。
カーブが多いので富士山の位置も右にいったり左にいったりします。
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西富士宮~身延
富士山の全景をキレイに写すならば、西富士宮を出て沼久保までの間の進行方向左側です。
西富士宮を出て急カーブで左に回っていくと車窓に富士山が広がってきます。一部木々が生えていたりするので、時間にして1分くらいの短い間にグングン坂を上っていきますので、富士宮の街を見下ろすような眺めが楽しめます。ここを過ぎると鰍沢口駅を過ぎるくらいから進行方向右後方にチラチラ見えるまで富士山はお預けです。
沼久保からは左側に富士川を眺めながらとなりますが、カーブが多く速度も50キロ以下でゆっくりと走るので、このあたりで睡魔に負ける人も多くなります。
芝川や内船で少し乗降があるくらいで、混雑ぶりはほとんど変わりません。
内船と甲斐大島の間が最も駅間が長い5.7kmで、ここを抜けると身延までスピードアップしていき、身延駅で身延山に行く人が下車していきました。
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身延~鰍沢口
身延からも身延山から戻ってきた人が乗ってくるので混雑ぶりは相変わらずです。
車窓の左に身延山に向かうロープウェイを眺めつつ走っていき、富士川の支流である常葉川を渡ると下部温泉の観光案内や建物が目立ってきて下部温泉駅に到着します。
市ノ瀬駅を出ると川から離れたところを通り長めのトンネル区間も目立ち、何度か中部横断自動車道とも交差しながら再び富士川が近づいてくると鰍沢口駅に到着します。
このあたりは急カーブが少なくなるので70km/hくらいのペースで走っていくので、西富士宮~甲斐大島あたりで並行する道をいく自動車(たまに原付)に抜かれていくような絶望感はなくなります。
とはいえ中部横断自動車道ができたことで特急ふじかわはだいぶ苦境に立たされています。
山の中を走ってきた区間はここで一区切りです。
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鰍沢口~甲府
鰍沢口からは甲府盆地のなかを走っていきます。
東花輪まで出ると、より住宅地化が進んでくるので甲府へ向かう乗客が各駅ごとに多く乗ってきて立ち客も出てきました。
国母駅や甲斐住吉駅のあたりは中央道や国道20号バイパスのインターから近いこともあって郊外店が多くあるので、この駅で降りる人も多く見られます。
南甲府駅で最後の行き違いを終えると、甲斐の善光寺が近い善光寺駅に停まります。このあたりからの富士山の眺めもまた良いです。
もう目の前に中央本線が見えてきて並走しながら金手駅に到着するとほどなく甲府駅です。
身延線のホームは東京寄りの5・6番線にこじんまりとしているので、中央本線の上り列車に乗り換えると階段を渡っていくので少々大変です。
この日は11:57発の普通列車に2分の接続でしたが、ホームを歩いた先の1番線だったのと定刻通りの到着だったので問題なく乗り継ぎできました。
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