大井川鐵道が全線乗り放題になる”大井川周遊きっぷ”を使った旅行、2日目は他の鉄道会社のフリーきっぷとペアで使ってみました!
天竜浜名湖鉄道の一日フリーきっぷと合わせて乗ってみる
今回は大井川鐵道の西側を走る天竜浜名湖鉄道の一日乗車券と組み合わせてみました。
これでも十分モトが取れますし、丸々一日使い込むには最適な組み合わせじゃないかと思います。
天竜浜名湖鉄道とは
天竜浜名湖鉄道は元の国鉄二俣線で、東海道本線の掛川から浜松を通って新所原に至るところをぐるっと扇形のように遠回りして浜名湖を迂回するようなルートになります。
元々は戦時中に浜名湖の橋が壊されたりするのを迂回する目的があったようです。
エヴァンゲリオン第3村、ゆるキャン△と関わりの深いローカル線
昭和63年に第三セクター化されて天竜浜名湖鉄道として再出発しており、最近では14両中10両の車両をラッピング化し、アニメのゆるキャン△でこの地域が取り上げられたのを活用したラッピング列車も2021年2月から運行しています。
※当初は8月末までということですが、記事を書いている8月23日の情報では9月1日以後も車両運用情報に記載があるので、しばらく運用が継続されるようです。
また、シンエヴァンゲリオンの第3村はこの路線の中心地となる天竜二俣駅の構内を模しており、実際に廣野監督が来られた時の資料も有料のツアーにて紹介されたりしていますし、関連したグッズの販売も行われています。
天竜二俣駅の第3村
天竜二俣駅の第3村がある構内については、毎日行われている転車台ツアーや土休日に行われている洗って!回って!列車でGO!ツアーの中で見学することができます。
※静岡県内に緊急事態宣言や蔓延防止措置が取られている時は中止になっていますので、最新の情報をご確認ください。
全国各地からエヴァンゲリオンの聖地巡りということでこられる方が見られます。
そういう人たち向けに遠鉄電車と天浜線の東ルートor西ルートが一日乗り放題となったエヴァンゲリオンデザインのコラボ一日乗車券も販売されています。
ゆるキャン△のラッピング列車
ゆるキャン△デザインの一日乗車券やグッズが販売されています。
この列車がどの日にどの区間を走るかは天浜線のホームページ上に出ていますが、土休日は密を避けるために非公開となっています。
浜松市においても聖地案内に力を入れており、使われたお店の紹介など観光案内所にて手に入れることができます。
天竜二俣駅より出発
第3村駅に変貌?!
2021年8月5日(木)、この日は早朝より自宅を出て自家用車で天竜二俣駅に向かい、無料駐車場に停めて早速駅に向かいます。
何と!駅名看板が”第3村”になっていました!
シンエヴァンゲリオンの興行収入100億円突破記念ということで、8月1日から9月26日までの期間限定で天竜二俣駅の表記が構内の至るところまで”第3村”駅になっています。
いこいの広場で一旦折り返しつつ掛川駅へ
5:59発の列車に間に合ったので乗り込みます。
もちろん狙い通りの”ゆるキャン△”ラッピング列車です。特にアナウンスが声優だとかいうものはないのですが、車内はゆるキャン△のキャラが至るところに描かれていて、棚の上にある案内板にはアニメで使われたロケ地情報があるのですが、8月より新しいものに更新されていて伊豆の観光地案内に変わっていました。
この列車は1両でコトコト走りますが、直接行っても掛川駅での接続が悪いので、途中のいこいの広場駅で降りて反対列車で原谷駅まで戻り、再び掛川行きに乗っていくといい具合に接続します。また原谷から乗車した列車はうなぴっぴー号(ボーカロイド音街ウナモデル)でした。
※天竜二俣駅がまだ無人の時間帯でしたので、一日乗車券の日付はどうするんだろう?と思ったのですが、今回のように無人駅で降りる場合などは運転士さんに記入してもらうことになります。
始発駅から乗る際は発車までや途中で行き違い停車している時などに記入してもらうと良いでしょう。
有人駅の改札が開いていればそこで記入してもらえばOKです。
東海道本線で金谷まで移動
普通列車で330円、2駅14分ほど
掛川駅では乗り換え専用改札を通って東海道本線に入ります。一日乗車券は紙なので天浜線の改札で見せて、その奥からはIC乗車券(私はSuica)で入りました。切符を購入する場合は、天浜線の駅舎を出てすぐ隣のJR東海掛川駅に入るので、3分近く余分に時間を要します。
掛川から来たのは8両編成、313+211+211でまあまあの混み具合でした。菊川~金谷間は山越えで少々速度も落ち、最後トンネルを一気に抜けると金谷駅になります。
大井川鐵道本線に乗車
金谷駅は別々に
金谷駅でのJRと大井川鐵道との乗り換えは掛川駅と同様で大井川鐵道のきっぷを持っている人は乗り換え専用通路を利用出来るようになっています。
私は駅舎の撮影とかをしたかったのでいったん外に出て乗り換えます。
既に二両編成の千頭行きが東急の車両で止まっていて、そこそこの乗車率です。この駅は駅員がいるので大井川鐵道HPで予約したSL急行やトーマス号の引き換えも出来ます。ただ対応できる人数に限りがあるのでトーマス号は新金谷駅のほうがスムーズです。
御成婚で名をはせた”おわだ(大和田)”駅へ
新金谷で少し人の乗り降りがあったあとは、短区間で次々と駅がやってきます。代官町、日切、合格、門出を過ぎるとちょっとした山越えになって大井川に張り付くような感じで走っていきます。
途中の神尾を過ぎ福用の次はかつて今の天皇陛下の皇太子時代の御成婚の際に名をはせた大和田駅で、ここで下車します。皇后さまの旧姓が”小和田(おわだ)”で、同名漢字の駅が飯田線に”小和田(こわだ)”でありますが、同読みの駅は”大和田(おわだ)”と読むのが唯一この駅でしたけど、ブームはここまではやってこなかったようです。
無人ですぐ近くに大井川の流れるのんびりした駅でした。
合格から門出へ
折り返しの金谷行きは昔近鉄特急として使われていた列車で、年季の入った転換クロスシートですが、ワンマン仕様に改造され、二両編成の後部車両はドアが開きません。これに乗って合格駅で降ります。
合格駅?!
名前からして受験シーズンになると入場券がバカ売れしそうな感じもしますが、2020年11月より五和駅(ごか)から名前を変更して合格駅となりました。もともと受験シーズンになると名前の響きから合格に近い五和駅としての動きもあったそうです。
隣に門出駅が出来たこともあっての動きですが、ここと門出の駅名標は縁起良いものになっています。
合格から門出までを歩く
そして合格から門出へということで、合格駅から門出駅までを歩いてみます。
駅間は500メートルほどで、交通量の多い国道473号線に沿って歩いていき、10分もしないうちに道の駅との複合施設「KADODE」が見えてきます。
千頭へ向かいトロッコ列車に乗車
またまた近鉄電車で千頭へ
店舗は9時に開きますが、肝心なソフトクリームの販売は10時からということで今回はお預け。
折り返して来た近鉄電車に乗って千頭へと向かいます。
みどころとしては、抜里駅を出て大井川を渡るところ、地名駅を出てロープウェイをくぐるために作られたトンネル跡をくぐるところ、塩郷駅を出てからの吊り橋を見上げるところがあります。
また下泉駅を出ると大井川が車窓の左側に寄りそう感じになります。映画のロケにも使われる田野口駅の駅舎は車窓右手に見られます。
4両編成のトロッコ、乗るなら先頭か最後尾
10:15到着、終点千頭駅では5分ほどの待ち合わせで10:20発の井川線始発井川行きに接続します。車でやってきたのでしょうか、意外と多くの人が乗車していましたが、最後尾のほうが空いていたのでそちらに乗り込みます。先頭は汽笛が良く聞こえますけど混むケースが多いです。
奥大井湖上駅で下車し、湖上入口バス停までを歩く
車やバスで来る人が多く乗降者が多い
地元の人たちは3倍以上速いバスを使うのでトロッコ列車を使うのは観光客ばかりです。
奥泉を過ぎると、アプト式と呼ばれる日本一の鉄道勾配区間を通るために専用の電気機関車を連結するアプトいちしろ駅に停車します。
馬面のような細長い機関車を後ろに連結して、1キロで90メートルを上る坂を1.5キロ走って長島ダム駅へと向かい、ここで機関車を切り離しながら反対からくる列車に機関車を連結して今度は前で踏ん張る役をしながらアプトいちしろ駅へと戻ることができます。
今回はそのまま進んで奥大井湖上駅へ。ここは大井川の蛇行の途中にあり、井川線の鉄橋を歩いて渡るしか行くことが出来ません。そのロケーションもあってか、並行する道を下りると18台くらい停められる駐車場があり、そこから列車に乗る人が多く見られます。
列車が真横を通過たのを見送り、上り坂を進む
奥大井湖上駅へアプローチする場合は、千頭駅や長島ダム駅からバスで湖上入口まで行き、下り坂を進んでいくほうがラクですが、今回は時間の関係で逆になってしまい、きつい坂をひぃひぃいいながら登羽目になりました。
列車が停車している間にどんどん橋を渡っていくと、すぐ横を追い抜いていく列車の迫力を感じることができます。
今回は11:24に湖上駅を出て、11:56発の湖上入口発千頭行き間に合うか試しましたけど、途中休憩を挟んでも25分あればたどりつけました。途中見る展望の利く眺めは最高です!
湖上バス停
湖上バス停のあたりは12%前後のきつい坂です。木陰の向こうにチラッと駅を眺めることも出来ますが、夏場は葉が生い茂ってだいぶ視界を遮られます。
バスに乗りますけど、一旦トロッコ列車で閑蔵駅まで行って、このバスで折り返してここで下車して湖上駅まで歩いて戻る人や、そのまま千頭駅に向かう人もいるので特に紅葉の頃は混雑しそうです。
11:56発のバスで12:20に千頭駅に到着し、12:45発の普通列車を待つ間にあらかじめ門出駅近くのコンビニで買っておいたパンを食べます。食事場所は千頭駅近くにあるのですが、コンビニとかはないので軽食の補充が難しいところです。
またこの間に14:55発の急行列車指定券を購入しました。
一旦本線に戻り、田野口駅までを往復する
トロッコ列車に結構乗車したので、一旦本線に戻って先ほど通った田野口駅を目指すことにしました。
3つめの駿河徳山駅では近くの川根高校の学生が乗り降りします。その次の田野口駅で降りたのは自分一人でした。
古い駅舎の田野口駅
駅舎は黒くシックな感じです。
この駅は車でも行くことはできますが、かなり細い道を走ることになるのであまりおすすめしません。
折り返しの列車で千頭駅へ
折り返しの列車はまたしても近鉄電車でした。今日は南海車両に当たりませんね~。
再び千頭駅へと戻っていきます。
奥泉駅までバス移動してトロッコ列車で千頭駅へと折り返す
バスで一気に移動
13:32に到着して、13:36発のトロッコ列車か13:35発の閑蔵行きバスの二択となります。
トロッコ列車の場合は川根小山まで行って折り返すか奥泉まで行ってバスで戻ることに、バスの場合は奥泉駅からトロッコ列車で戻る選択肢があるのですが、今回は後者を選び、久々に奥泉駅で降りてみることにしました。
ここには古墳チックなお手洗いがあります。
奥泉駅では乗車名簿を書く
奥泉駅は駅員がいます。乗車する旨を伝えると乗車名簿の記入を促されます。
ホームは一番線・二番線とありますが、井川行き・千頭行きと書かれたプレートはひっくり返すことができて、どちらにも対応できるようになっていました。
13:53発の列車に乗り込み、行先を聞かれますが、反射的に「川根両国まで」としました。ちょっと考えがあってそれを実行します。
川根両国駅で下車して両国の吊り橋を渡る
川根小山駅で行き違い
山の中を走りながら川根小山駅で反対列車と行き違いをします。
ここで折り返す乗客も少しいるようです。
川根両国で下車して吊り橋へ
14:17、千頭の1つ手前の川根両国駅で下車。その手前に目的地の吊り橋が近くに見えてきて、川で泳いでいる人も見られます。
車掌さんに「どちらへ向かいますか?」と聞かれて「吊り橋」と答えると、構内の井川寄りから向かってくださいとのこと。こちらの駅は車庫やらいろいろと集まっているので駅から出るのが迷路っぽくなっています。
駅の外に出ると道のガードレールあたりに案内板があるので、それを見ながら進むとほどなく吊り橋が見えてきます。
両国吊り橋
この吊り橋を渡るのは3回目ですけど、川根両国駅を俯瞰して眺めることができるのと、川沿いを走ってくるトロッコ列車を撮影するのにも良いポイントです。
橋自体はしっかりしているので恐怖感はないです。川の水が浅瀬になっていてきれいで、何カ所かで泳いでいる人がいました。
足も”つり”、ひぃひぃ言いながら千頭駅へ
橋を往復して川根両国駅へと戻ってくると案内板に千頭駅までの案内も出ていたので歩いていきます。
14:17に出てから14:55に千頭駅を出る列車に間に合わせるので少々急ぎます。吊り橋の向こう側から20分少々だったのですが、その前に奥大井湖上の坂道を歩いたりしてたこともあってか途中で足が攣りかけて難儀しながら千頭駅に入りました。さすがに暑かったので近くの店で抹茶ソフトクリームを食べます。
EL急行かわね路号に乗車
8月14日から11月23日まではEL急行からSL急行に変わっていますが、この時はEL(電気機関車)が旧型客車をけん引する急行に乗りました。
音は先頭1号車が迫力満点、雰囲気は最後尾の3号車
この列車の特徴は、冷房が無い!のひとことです。
脱水症状をおこさないように、水分補給をしっかりしてから乗車してくださいね!
あとは昭和の古き時代を走った雰囲気が残っており、例えるならば銀河鉄道999のようなイメージがピッタリくるでしょう。
先頭から1,2,3号車の順で、3号車は白熱灯なのでトンネルに入ると灯りの感じがより際立ちます。
2号車は扇風機がひっきりなしに動いている感じ、1号車は機関車の音をよく拾ってくれるので警笛とかが間近に聴こえます。
車内販売でお土産品の扱いもあるのと、乗務員さんによってはハーモニカ演奏をしてくれたり、逆に何もなくて雰囲気重視だったりと様子も変わってきます。
川根温泉笹間渡での乗車も多い
停車駅は川根温泉笹間渡、家山のみです。EL急行は全車指定席で料金が500円かかります。SL急行は840円ですので若干安い感じです。
川根温泉笹間渡には日帰り温泉施設がすぐ近くにあるので、ひと風呂浴びてきた乗客が乗り込んだりしてきます。
急行とはいうものの、スピードはのんびりと普通列車よりも時間をかけてのんびりと終点を目指します。
新金谷から金谷は電車で
急行列車は新金谷止まりになるので、次の金谷まで行く電車に乗り換えです。
またまた近鉄電車で、ワンマン案内は金谷との区間運転仕様になっていました。
再び天竜浜名湖鉄道へ向かう
東海道本線の普通列車で移動
再び東海道本線で掛川へと移動します。前回6月21日は全く同じ行程でしたけど、東海道線内のトラブルで大いに予定が狂ったので、何となくリベンジ出来た感がありました。
2両編成!と思ったら後ろは回送だった
掛川から天竜浜名湖鉄道に乗り換えです。3分しかなかったけど、IC乗車券と天竜浜名湖鉄道の一日乗車券を持っているので余裕でした。
列車が2両ついていたのでラッキー!と思ったのもつかの間、後ろはドアが閉まっていて回送扱いでした。
岡地駅・撤去が進む奥山線の跨線橋あと
岡地駅(旧気賀高校前)にて下車
菊川から乗り換えてきたり、掛川の学校に通う高校生を多く乗せて発車。遠州森で森高校の学生と入れ替わる感じになり、あとは徐々に人が降りていきます。
西鹿島で通勤帰りの人が乗ってきますが、こちらも徐々に減っていきました。
金指を出て次の岡地駅で下車します。ここは元々気賀高校前でしたが、学校自体が合併をして金指駅前の旧引佐高校から浜松湖北高校へと変わったので、地名の駅になりました。
跨線橋が無いなと調べたら撤去作業中だった
金指駅を出ると長らく旧遠州鉄道奥山線の跨線橋があったのですが、6月から撤去作業が始まっていたようです。あれ?ないなぁと思って調べてみたらニュースにもなっていたんですね。
2001年頃 2001年頃
夜の豊岡駅・ゆるキャン△号とうなぴっぴー号の行き違い
ゆるキャン△号で豊岡駅へ
まだ少し時間があるので、どう乗るかを考えてみたら、次に来るのがゆるキャン△号で、うなぴっぴー号と豊岡駅で行き違いになるようです。
ということで、撮影を目的に豊岡駅へと向かいます。
千鳥配置の駅は並び写真がうまく撮れずorz
ただ、この駅は千鳥配置で列車が横並びにならなかったという痛恨の選択ミスをやらかしました。
おまけに夜になっていたので、写真は残念ながらアウト。まぁ仕方ないか・・・ということで、次の列車で天竜二俣駅に戻り、自家用車で家路につきました。