浜松から東海道本線で新所原へ。ここから天竜浜名湖鉄道、通称「天浜線」に乗り換えると、列車の旅は一気にローカル線らしい表情へ変わっていく。








この日の記録は、新所原から金指、天竜二俣、掛川、西鹿島へと、天浜線を何度も乗り継いだ一日。最後は遠州鉄道の「赤電」に乗り、遠州病院駅へ戻った。
一直線に目的地を目指す旅ではない。気になる区間を行ったり来たりしながら、その土地を走る列車の音をじっくり味わう。そんな乗り方だからこそ残せた走行音が、12のパートに収められている。
--目次--
浜名湖の北側を走る天竜浜名湖鉄道
天浜線は、東海道本線の掛川駅と新所原駅を結び、浜名湖の北側を通る全長67.7kmの路線だ。公式サイトによると、駅舎やプラットホーム、橋梁、隧道など、全線に36件の国登録有形文化財がある。
今回の録音で中心となるのはTH2100形。天竜浜名湖鉄道の案内では、セミクロスシートを備えたディーゼル車で、カミンズ製エンジンを搭載している。電車とは異なるエンジンの響きと、駅を出て速度を上げていく変化が、この路線の走行音を形づくっている。
新所原から金指へ進んだあと、西気賀や宮口、常葉大学前を経て天竜二俣へ。さらに掛川方面へ向かい、森町病院前、円田、西鹿島と、東西に長い路線を折り返しながらたどっていく。
鉄道の時間が残る天竜二俣駅
途中で立ち寄る天竜二俣駅は、天竜浜名湖鉄道の本社が置かれている駅。駅本屋やプラットホームのほか、構内の転車台、扇形車庫、運転指令室なども国の登録有形文化財になっている。
列車を降りて構内を眺めれば、現在も使われている鉄道施設と、長く受け継がれてきた鉄道の風景が同居している。天浜線の途中で一度立ち止まりたくなる場所だ。
西鹿島で「赤電」へ



旅の後半では、西鹿島駅で遠州鉄道へ乗り換える。遠州鉄道は浜松市を南北に走る路線で、赤い車体から「赤電」の愛称で親しまれている。
この日に録音したのは1000形。遠州病院から西鹿島へ向かい、天浜線で二俣本町まで足を延ばしたあと、再び西鹿島から遠州病院へ戻っている。
本人の旅行記には、夜の遠州病院から西鹿島へ向かい、天浜線へ乗り換えた様子が残っている。二俣本町駅では虫の声が聞こえるほど静かだったこと、帰りはモーター車で走行音を楽しんだことも記されている。
途中下車するなら
- 天竜二俣駅:転車台や扇形車庫など、現役の鉄道施設と文化財を見られる天浜線の中心駅
- 西鹿島駅:天浜線と遠州鉄道が接続し、ディーゼル車と電車の音の違いを体感できる乗換駅
- 二俣本町駅:天竜二俣駅の隣にある小さな駅。夜は周囲の静けさも印象に残る
- 新所原駅:東海道本線から天浜線へ入る西側の起点。浜名湖の北側を巡る旅の入口
耳でたどる、12パートのローカル線旅
このストーリーでは、東海道本線の313系、天浜線のTH2100形、遠州鉄道の1000形という、性格の異なる3種類の車両を収録している。
長い一日を順番に聴くのはもちろん、気になる区間だけを選ぶこともできる。ディーゼルエンジンの響きを楽しみたいときは天浜線、電車のモーター音を聴きたいときは遠州鉄道という聴き分けも面白い。
聴きどころ
- 新所原から金指へ向かう、TH2100形の長い走行区間
- 天竜二俣や掛川、西鹿島を行き来する中で変化する駅と車内の空気
- 西鹿島から遠州病院へ戻る、夜の遠州鉄道1000形の走行音
浜名湖の北側を、行ったり来たりしながら過ごした一日。目を閉じて、天浜線と赤電を乗り継ぐローカル線の時間をお楽しみください。
今日のUto Utoは、こちらからどうぞ。


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