06/25 黒部峡谷鉄道のその奥へ

ひとり旅

富山地方鉄道を1日フリーきっぷで乗り通す

この日は黒部峡谷鉄道のツアー参加を織り込みながら富山地方鉄道全区間に乗車するというなかなかハードな行程を組みました。それを完遂させるために、北陸観光フリーきっぷが役に立つという意外な点もご紹介します。

富山地方鉄道の各線を制覇していく

スタートは電鉄富山駅から。最初の目的地が立山なので、7:01発の本線経由立山行きに乗れば直接行けますが、それを見送ります。でも間に合うんです。

電鉄富山7:11→岩峅寺7:46 不二越線・上滝線経由 2両

10分後の7:11発不二越線・上滝線経由の岩峅寺行きに乗ります。
こちらは1時間に1本か2本程度のローカル線ですが、不思議なことに岩峅寺には先ほどの列車より2分早く到着します。
電車は2両編成で元々は東急の8090系だったものが移籍しています。途中駅からの乗車はあまり見られず停車してすぐに発車していきます。

岩峅寺7:48→立山8:15 立山線 2両

岩峅寺に着くと既に立山行きが到着しており、乗換を待っている感じです。こちらは予想通りアルペンルートに向かう人たち、特に外国人客が多く乗っているので座席は埋まっていました。
立ちながらでも分かるほどの急坂を登っていったり、最後の本宮駅を過ぎると人家が途絶えて10分以上の長い区間を走り終えると立山駅の大きな駐車場や建物が見えてきます。
ほとんどの人がアルペンルートへと急いでいきます。

立山8:24→富山9:30 立山線・本線経由 2両

折り返しの電車はガラガラです。アルペンルートからの接続があれば混雑が激しくなるのでしょうが、元京阪のテレビカー車両10030系に乗って本線に沿いながら電鉄富山まで移動していきます。

北陸観光フリーきっぷがここで威力を発揮

次の目的地は宇奈月温泉ですが、その先のツアー受付が11時となっているのでそれよりは早く着きたいところです。普通に移動するならば9:31発の各駅停車で11:14着となるのですが、帰りも同じ道を行くことになるので何かいい方法はないか?と考えていたところ、北陸観光フリーきっぷが黒部宇奈月温泉まで新幹線を利用できることが分かり、これを使ったルートを進んでみました。

富山9:47→黒部宇奈月温泉9:59 はくたか558号

富山駅に移動してはくたか号に乗車。自由席は4両あるので、2号車あたりまで行けば何とか窓側席をとることもできました。乗車時間は10分少々ですので、むしろ乗り換えを考慮して真ん中寄りの車両に座っていきます。
黒部宇奈月温泉の開業に合わせて、富山地方鉄道もすぐ近くのところに新黒部駅を設置しました。
通路を挟んで徒歩2分ほどで移動することができます。

 

新黒部10:11→電鉄黒部10:18 本線普通 2両

新黒部から一旦富山方面に戻る形で電鉄黒部まで移動します。
理由は次の特急電車に乗るためですが、富山発ではなく、新幹線との接続を意識した電鉄黒部発というダイヤ編成になっています。

電鉄黒部10:32→宇奈月温泉10:54 本線特急くろべ21号 3両

3両編成の特急列車で、1日フリーきっぷがあればそのまま乗車することができます。
停車駅は新黒部のみで22分で宇奈月温泉に到着します。予想通り新黒部で新幹線からの乗客が多数なだれこんできました。単線区間なので行き違いの停車を繰り返しながら徐々に勾配を登っていき、宇奈月温泉駅に到着します。

欅平の奥へと行くツアーに参加

駅を出てしばらくすると携帯が鳴り、受付の確認だったので少々急いで黒部峡谷鉄道の宇奈月温泉駅に向かいます。駅の2階が受付で、係員の方からツアー参加のナンバーカードを渡されます。
来年からは別途欅平と黒部ダムを結ぶツアーが始まるので、こちらのツアーの参加者はあまり多くないようです。とはいえ先着順なので、抽選倍率の高い上記ツアーよりは確実性が高いので、今回参加することにしました。

宇奈月11:27→欅平12:45 黒部峡谷鉄道

観光客で13両つないでいるトロッコ車は満席に近い状態です。
係員の指示に従いながら空いてる車両に乗り込んでいきます。
車内アナウンスの声は富山県滑川市出身の室井滋さんが行い、面白さも交えながら元気に出発します。
1時間18分ほどの長旅で、普通車は吹き抜けになっていてトンネルが比較的多いのでウィンドブレーカーがあると役立ちます。
お弁当を広げて、緑がまぶしい箇所を通りながら途中で反対列車と何度も行き違いをしながら欅平に向かいます。

ツアーコースに入ります

欅平到着。ツアー案内の方がホームに待っておりそこに集合。乗客が下車したあとのホームで、普段入ることのない冬の時期に作業員が通るルートをチラッと見ます。歩いて往復するだけで一日が終わりそうな感じです。
しばらく待っていると山側から作業用のトロッコ車がやってきて、折り返しに乗車します。
ゆっくりとトンネルの中に入り、作業員に接近の音を鳴らしながら進んでいくとスイッチバック地点に差し掛かり、係員の方が下りて手でポイントを切り替えます。
少し進むと竪坑エレベーターの手前で下車します。貨物輸送の場合はそのままエレベーターに車両を入れて上下できるほど大きなものになります。
エレベーターを上がった先にはインクラインの線路が伸びています。その脇の階段を上がって見晴らしのある場所に出ます。

アルプスの山々は残念ながら雲の中に

ここからは15分ほど山道を歩いていきながら眺めの良い場所まで進んでいきます。
午前中は雲がなかったようですが、残念ながら山々は雲の中に入っていました。

この先に向かう車両を見学

来た道を引き返してエレベーター前のところで、この先に進んでいく車両を見学します。途中には高熱の場所を進むために断熱が施されたりなかなか厳しい環境を通るようです。
来年からはこのルートがツアールートとして一般の人も通ることができるようになるとのこと。

欅平15:19→宇奈月16:35 黒部峡谷鉄道

欅平に戻り、予定より一本早い列車に乗車変更を行いました。
思ったよりも早めに日が山の稜線に消えていくので空は明るいものの予想以上に冷えます。
この時間でも欅平方面に向けていく観光客の姿があるので、沿線沿いの宿にでも向かうのでしょう。

宇奈月温泉16:50→電鉄富山18:21 本線普通2両

宇奈月温泉に戻り、朝乗った岩峅寺行きの電車が待っていました。ロングシート車両の2両編成で観光ムードとは違和感があります。あれだけ乗っていたトロッコの乗客は観光バス等に吸い込まれていき、電車はかなり空いた状態で発車していきます。
電鉄富山まで40駅1つ1つ停まっていくので少々まどろっこしいですが、小さな古い駅からも1人2人と乗車があったりしながら上市まで進み、ここで進行方向が変わり、寺田で立山線と接続、稲荷町で不二越・上滝線と接続して電鉄富山に到着します。

富山ブラックラーメンを食べてからは市内電車乗りつぶしへ

富山駅で名物のブラックラーメンを食べてからは市内電車の乗りつぶしに出かけます。

富山駅19:05→南富山駅前19:22 1系統レトロ電車1両

南富山駅前まで移動します。車両はやけにレトロな作りのものがやってきました。
路面電車らしい唸りを響かせながら南富山駅前まで少しずつ坂を上っていきます。繁華街で下車する人も多く、終点まで乗った人は片手もいないくらいです。
同じ列車には乗らず1本あとの電車を待ちます。

南富山駅前19:32→富山大学前20:07 2系統1両

女性運転士が運転する車両がやってきました。これに乗って富山大学まで行きます。ルートは富山駅前まで行ったのち、反転して富山大学まで進むようになっています。
富山大学前駅は唐突にポツンと線路が終わった感じのところでした。

富山大学前20:09→丸の内20:14 2系統1両

折り返しの電車はすぐに発車します。大学生らしき数名を乗せて発車してから環状線との接続駅である丸の内駅で下車します。

丸の内20:22→富山駅前20:39 3系統 2両

丸の内でしばらく待っていると環状線の電車が低床車でやってきました。
少し進むと富山城が一瞬見えてきます。グランドプラザ前あたりで少々長めに時間調整のような停車があり、そのあと南富山方面からの線路と合流して富山駅前に向かいます。
本来はそのまま岩瀬浜へ行こうと思ったのですが、直前で出発してしまったので、一旦ホテルに荷物を置きに戻ります。

一旦帰ってから岩瀬浜を往復

富山駅21:15→岩瀬浜21:39

かつての富山港線だった区間を進みます。途中までは市内電車の延伸区間を進んでいき、岩瀬浜方面のみ停車駅があるオークスカナルパークホテル富山前から、インテック本社前、龍谷富山高校前に停車して、旧富山港線の線路と合流した場所に奥田中学校前駅があり、ここからは専用軌道を使って岩瀬浜まで北進していきます。
21時を回っているにも関わらず、飲み会帰りだったり多くの人が乗車しています。蓮町あたりまででかなりの人が下車していき、岩瀬浜まで行ったのは数名ほど。

岩瀬浜21:46→富山駅22:15

折り返しの列車は自分だけを乗せて出発でしたが、途中で人も乗ってきて富山駅まで約30分ほどの道のりです。電車はさらに環状線となって一周するようですが、これで一日かけて地方鉄道全線、市内電車全線を乗り終えることができました。

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