長良川沿いの景色を利用した観光への取り組み
岐阜県の美濃太田から北濃を結ぶ72.1kmのローカル鉄道、長良川鉄道。
国鉄越美南線から第三セクターの長良川鉄道に移管されて35年。その間に様々な取り組みで線路に活気をもたらしています。
一日乗車券
現在は期間限定のスタンプ帳付き一日乗車券
長良川鉄道には一日乗車券があり2,700円で利用できますが、2022年7月16日から2023年3月31日まではスタンプ帳付きのものに変わっています。
8つの駅(美濃太田、富加、関、美濃市、大矢、郡上八幡、美濃白鳥、北濃)のスタンプを集めて、長良川鉄道の売店で500円以上の買い物をすると踏破スタンプと記念の缶バッジがもらえます。
さらに!1000円分の商品券がついています!
そして、2022年8月1日から2023年1月31日あるいは限定人数に達するまでの間で、長良川鉄道の売店で利用可能な商品券1,000円分が付いてきます!
これを使って500円分の商品を購入してもスタンプ踏破の対象となるのでありがたいですね!
私は、長鉄せんべいと観光列車ながらのピンバッジ(共に500円)を購入しました。
美濃太田駅の発売所が開くのは9:00
この日は美濃太田9:56発のゆらーり眺めて清流列車に乗るつもりでしたが、このスタンプラリーのことを知って急遽予定を早めました。
というのも、富加駅のスタンプは関駅に、大矢駅のスタンプは郡上八幡駅に、北濃駅のスタンプは美濃白鳥駅にあるので、実質美濃太田、関、美濃市、郡上八幡、美濃白鳥の5駅で良いのですが、9:56発は長時間停車がなく、帰りに乗る観光列車ながらも美濃市の停車時間はわずかなので、日によっては対向列車との関係で間に合わない可能性があります。
というわけで1本前の列車に乗る必要があり、HC85系ひだに岐阜から1駅だけ乗ってきたりしましたが、美濃太田駅の長良川鉄道販売窓口が開くのは9:00だそうです。
それまでは車内で買うか、関か美濃市で下車申告して買うかと書かれていました。
列車は9:04発、少々やきもきしてましたが、少し早く窓口が開いたので、一日乗車券を購入して、美濃太田駅のスタンプも押せました。
美濃市まで普通
9:04発の普通美濃市行きは1両、ボックスシートタイプの列車です。シートに1人ずつ座るくらいでロングシートにも4,5人います。
途中ですれ違う車両は、かつてのキハ58,28を模したような、おくみの号ですね。これが折り返し清流列車になるみたいです。関までに少しずつ下りていき、関でグッと減ります。
関からはかつて名鉄美濃まで走っていた路線と並行した関係で廃止された名鉄の代替駅があります。
名鉄美濃駅は廃止されても建物が鉄道遺産として残されています。
関まで戻る
美濃市駅でスタンプを押して、同じ列車が関行きになります。
関に車庫があるので、そこまでの回送的要素もあるのか、車内は2~3人ほどとガラガラです。
10分ほどで関に着くので、関と富加駅のスタンプを押し、外を歩きます。
せきてらす前駅まで歩く
隣のせきてらす駅まで1キロほどなので、細い道を歩いていくとあんまり目立たない場所にせきてらす前駅がありました。道中には関善光寺の立派な屋根を見ることができます。
ゆらーり眺めて清流列車
予想通り先ほどのおくみの号がやってきましたが、ロングシートに結構人が乗っています。
夏休みだからでしょうか、金曜日というのに賑やかな車内になっています。
そして関駅から沿線ガイドをする女性の方が乗ってきて沿線案内をしながら進んでいきます。
とはいってもこの列車は各駅停車なので休み休みで話していく感じになります。
八坂駅という小さな駅では日本の統計調査による人口バランスで中心に該当するので、日本真ん中の駅という看板があったりします。
長良川を郡上八幡までに6回渡りますが、そのあたりで少し速度を落として走る感じです。
郡上八幡でたくさん下車
郡上八幡で多くのお客さんが下車し、ガイドの女性も降りたので一気に車内が静かになります。
少し川幅の細くなった長良川を横に走っていきますが、終点の北濃が標高446mほどなので桜の季節になると美濃太田を起点に徐々に満開地点が北上するので1ヶ月近くどこかで桜を楽しめるそうです。
終点北濃駅に到着
美濃太田から乗車した場合2時間少々で終点北濃まで37駅に停まっていきます。
北濃駅はそれこそ何にもない駅ですぐ横を国道156号線が走っています。
何もないけど、すぐ横には転車台が残されていました。
”終着北濃駅”という店でお昼
近くにコンビニとかはないので、駅構内にある終着北濃駅という店で食べていきます。
3種鉄板焼定食(1000円)をいただきました。鶏、豚、けいちゃんの3種なので、味噌味濃いめな感じでご飯が進みます。
白山長滝駅まで歩く
観光列車ながらも白山長滝駅に停車するのを確認して、食べ終わってから白山長滝駅まで歩いてみました。
国道沿いに歩いていけば、道の駅を目印にして、あとは白山長滝神社の境内を経由していけば駅に着けるので十分間に合いますし、途中の線路沿いの道でながら号が通過していく様子も撮影できました。
観光列車ながらは1両?!
さて、やってきた観光列車はまさかの1両でした。
恐らく行きの予約制ランチを頼む人がいなかったためか、ビュープランだけの予約だったと思われます。乗車時に事前予約のメールを見せて名簿と照合します。
ボックス席が多いのですが、この日は6人だったのでボックス1つずつ使える感じだったから良かったですね。
さっそく美濃白鳥で5分停車をするので駅スタンプを押しに行きます。
懐かしいタブレットがまだ現役で使われていました。
観光列車ながらは、いわゆる水戸岡列車の系統の1つで一目見ると、あぁこの系統なのねと分かる感じです。
クロネコヤマト列車
行き違いでやってきたのはクロネコヤマト列車で、半分がクロネコヤマトの荷物車となっています。
実際に列車を使って荷物を関駅から美濃苅安駅まで運ぶことでドライバーの負荷が減ったという実証実験を経てのものなのですが、貨客混載というのは全国的にも珍しいです。
郡上八幡でスイーツ列車を連結
郡上八幡で20分ほど停車する間にスイーツ列車を連結します。
こちらは利用する人が何人かいるようでした。
この駅の跨線橋は本当に古びた作りになっていて、渡ってみる価値が十分にありました。
停車中は郡上おどりの音楽が鳴り続けていて、全国的に有名な郡上おどりのPRになっています。
景勝地で徐行しながらのんびり長良川の流れを楽しむ
再び長良川を渡るときとかに徐行しながら走るようになります。
観光案内は清流列車と同じ内容なので、どちらか片方に絞ったほうがいいかもしれません。
ただ観光列車ながらは停車駅が37駅中8駅のみと非常に少ないので快速列車としての価値はあると思います。
1枚目の写真は大日岳と奥のほうに白山連峰が見られました。
この日は水量が多かったこともあり、ラフティングのグループがあっという間に急流をすべる様子が見られました。
U字カーブ
ハイライトシーンのU字カーブでもバーベキューをしていたり、ラフティングしている人が見られました。ここは長良川の大蛇行が見られます。代表的なものですと、大井川にかかる奥大井湖上駅のところが思い浮かびますね。
関でスタンプラリーの賞品と引換
大矢駅は運転停車扱いですが、お手洗い休憩でホームに降りることができました。
線路を渡る際に写真を撮ったりでき、立派な駅名看板がありました。
この日は運行状況が良かったらしく、美濃市駅で2分停車の間にまだスタンプが押せてない人にアテンダントの方が案内をして押し終わるのを待って発車となりました。
関駅で15分ほどの停車となりますので、ここでスタンプラリーを終えて、景品との交換もできました。
美濃太田へ向けて田園風景の中をひた走る
長良川は西へと遠ざかり、田んぼの中を美濃太田に向けて快走していきます。
小さな富加町の中心地富加駅を過ぎると美濃太田は間近になります。
やはり狙い目は金曜日かな?と思うスタンプラリーの旅でした。
帰りは高山本線の普通列車で岐阜に抜けていきます。ちょうどキハ75がいました。