秘境駅全国ランキング上位を手軽に回る飯田線「秘境駅号」

ひとり旅

今回は上り列車で天竜峡から浦川まで乗車

秘境駅号とは?

そもそも秘境駅って何?

秘境駅の名前を有名にしたのは、牛山隆信さんという方の「秘境駅へ行こう!」という本からです。
最初は鉄道ファンの中で有名になったのですが、徐々にメディアに取り上げられるようになって注目度が増してきました。
人家もない、道路もない、駅に行くにも簡単にたどり着けない、周囲に何もない、列車も停まらないといった条件に加えて、鉄道遺産(古い駅舎、スイッチバック等)や雰囲気なども加味した独自の評価によってランキング化もされています。
青春18きっぷなどを使って行くコアなファン層を獲得したこともあって、秘境駅めぐりは一つの文化として定着した感があります。

★見出しの秘境駅ランキングはランキングのページ2021.1.23更新版より引用

冗談のような列車が飯田線に?!

そんな秘境駅をめぐる列車のはしりは、2007年に岩泉線(廃止)に乗り入れた臨時列車の秘境駅号が最初と言われていますが、定期化されだしたのは飯田線で運行されだしてからです。
飯田線自体も200km足らずの区間に94も駅があり、かなりの数の駅が秘境駅ランキングの上位に入っているということから、まさに列車名にふさわしい路線ともいえます。
この「秘境駅号」は373系電車を使って急行列車としての運行、停車するのは秘境駅ばかりというのがウケて、常に満席になるという列車で、豊橋~飯田間で運行され、現在も年に数回(主に春と秋)運転されています。
今回は、春の臨時列車設定(5日間)となった最終日の2021年4月18日(日)に行きました。

乗車レポート(天竜峡→平岡)

天竜峡までは普通列車で移動

私は浜松市在住ということもあり、上り列車最後の停車駅である浦川までは車で行くほうが圧倒的に速いので乗車区間は天竜峡→浦川としました。往復でも2,340円なので、青空フリーパス(2,620円)+浜松~二川往復(1,020円)よりも安くあがります。ちなみに天竜峡の先の時又まで同じ値段ということでこんな買い方をしました。
これですと豊橋を8:11発の普通列車が浦川を出るのが10:13となります。浜松市内を8時に出たとしても下道運転で余裕で間に合いました。
この列車が12:07に天竜峡に到着し、13:35発の秘境駅号までの間に天竜峡の徒歩散策をしてくるという効率の良いダイヤになっています。
列車は213系の2両編成、正直なところガラガラでした。

天竜峡を発車、乗車率は8割近くといったところか

天竜峡での乗車は10名前後でしたが、既に始発の飯田駅から乗り込んでいるようで、8割近くの座席が埋まっていました。
指定券は一度豊橋まで購入したのですが、浦川駅前に無料の駐車場があることが分かり、前日に変更をしています。座席表を見ながら購入出来たので、売れ具合も把握していて窓側を取ることが出来ました。

千代駅(5分停車:秘境駅ランキング20位)

発車してすぐゆっくりと天竜川を渡るとほどなく千代駅に到着します。
ここから見学が始まり5分停車です。思い思いに駅名標や列車、周辺風景の写真を撮ったりしていき、乗車しているスタッフの時間案内のもと、定刻までには車内に戻るようになります。
このあたりは、乗車券を購入される方々はマナーが行き届いているのか問題なく進みます。
この駅の駅名標は名前の通り長寿に通じるということで、触ると御利益があるという都市伝説が残されています。

金野駅(5分停車・秘境駅ランキング6位)

次の金野駅までも乗車時間はわずか2分!あっという間に着きます。
けっこう忙しい感じですが、5分間はあっという間ですし、3両編成からドッと出てくると8割程度の乗車率とはいえ100人くらいですから、テキパキと動く必要があります。
千代駅と比べると駅前に道すら無く、人影を感じない(今はごった返してますが)ところは、さすがトップ10に入る駅だなと思わせます。
この駅名標も触ると御利益があるという都市伝説、さらに2駅連続で触れば「千代・金野」で続けて読めば「ちょきんの」となって貯金に通じるという話もあるんですね。

田本駅(15分停車・秘境駅ランキング5位)

続く田本駅までに唐笠、門島駅を通過します。田本駅で停車時間が長いのは、豊橋寄りにある跨線橋が細い急坂で一度に沢山渡れない為で、後ろの車両の人たちは飯田側にあるトンネルとの風景を先に見るように案内されます。
この跨線橋からの眺めが田本駅の断崖絶壁に細々とへばりついたホームという状況を一発で見せてくれます。

為栗駅(12分停車・秘境駅ランキング13位)

温田駅を通過する時に豊橋からやってきた下りの秘境駅号と行き違いをします。
どちらの乗客がより多く手を振れるか?という競争らしく、皆さん頑張って手を振りあいますが、もちろん決着判定が出るわけもありません(笑)。
ちなみに豊橋発の秘境駅号が折り返し伊那路4号として、飯田発は伊那路1号の折り返しとして走ることで運用バランスをとっています。
次の為栗駅は吊り橋で渡るしか行く手段が無く、駅周辺には人家はわずかしかありません。
このあたりの天竜川は向きが北に向くことから信濃恋しと呼ばれたりしています。
停車時間が長かったので、吊り橋までいって遠景で写真を撮る人が多かったですね。大きくカーブをしている途中に駅があるためか、乗車の際のスキマの広さにも驚きでした。

平岡駅での物販

為栗と平岡の間は4.7kmと長く、短いトンネルが連続します。
天龍村の中心地である平岡では16分停車し、その間に駅前広場にて物販が行われます。
周囲の豊根村などからも地元のグループやお店の人がきていて、秘境駅号運転日の風物詩となっています。
出発の際には横断幕で見送りしてくれるなど、高齢化と過疎化の進む小さな町を活性化していこうというエネルギーを感じます。
ほうじ茶ラテやシュークリームの他、和菓子や山菜の天ぷら、ヤマメの塩焼きなど沢山の種類のものが売られており、皆さん沢山買い求められていました。

乗車レポート(平岡→浦川)

伊那小沢駅(7分停車・秘境駅ランキング62位)

鶯巣駅を通過して、伊那小沢駅に停車します。
この駅は相対式ホームになっていますが、発車1分前には踏切がおりてしまい、そうなるとおいていかれてしまうため、くれぐれも遅れないようにと注意放送が流れます。
川沿いには貨物用に使われたホーム跡があるので、一瞬スイッチバック駅?と思わせます。

中井侍駅(7分停車・秘境駅ランキング10位)

次の中井侍駅は田本駅と同様に断崖にへばりついたような細長い駅です。
駅からいきなり急坂の道になっていますが、急坂過ぎて全景がつかめませんが、非常に希少価値の高い無農薬茶の栽培が行われており、6月になると不定期でお茶摘み体験のツアーや上にある家を使ってのお茶処があったりもします。
この駅が長野県の最南端で、ここから静岡県に入ります。

小和田駅(15分停車・秘境駅ランキング3位)

今の天皇陛下御成婚の際に皇后陛下の旧姓と同じ漢字を使う小和田駅が一大ブームとなりました。
既にその頃から人家は1軒しかなく秘境駅感満載でしたが、ブームが去ったあとの当時の面影を残すのは駅舎くらいです。
既に人家も0軒となり、駅の存在理由はなくなりつつありますが秘境駅としてのランキングは常にベスト3を争っています。
隣の集落に行くまでけもの道を歩くしか手段がなく、接続した道路も林道ばかりなので、たどり着く難度が非常に高いです。
かつては行き違いの出来た駅でしたが、片方がはがされたまま残されています。
ホーム上には静岡・愛知・長野の3県にまたがる県境標がある唯一の駅です。

向市場~城西の渡らない橋

小和田から浦川まではノンストップとなります。
途中秘境駅の大嵐を通過し、水窪駅で行き違いをしたあとにもう1つの見せ場がやってきます。
正式名第6水窪側橋梁は、トンネル崩壊で迂回するための非常手段的なもので、山の裾を回る際に川があるものの対岸まで出ずに再び川を渡って元に戻るという日本でここだけの橋で、徐行しながら通過していきます。
佐久間ダムの紹介をしながら中部天竜駅を通過して16:18に浦川に到着します。
列車は12分停車後終点豊橋(17:54着)までノンストップとなりますので、私はここで下車しました。
人数点呼をしていることもあるので、車掌にひと声かけておくことを忘れずに。
なお乗車証明書やパンフレットといったものは、飯田駅発車時点で既に座席に置かれていましたので、これはコロナ対策なのでしょうね。

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