すっかりローカル線と化したかつてのメインルートを行く
かつては函館~札幌のメイン路線ではあった「山線」
地名なども馴染みがなくなりつつある「長万部」
ここまでの行程表はこちら!
3月8日月曜日16時20分、定刻通りに函館からの特急北斗15号は長万部駅に到着しました。
ちなみに「おしゃまんべ」と読みます。
北海道の地名に慣れている人ならばすぐに読めると思いますが、 そうでない人にとってはパッと見せられて読める地名でしょうか?
かつては駅弁のかにめしとかで知名度が高いところではあったのですが、駅弁の販売もすでになく、この名前を見かけることも減ってしまいました。
山線の列車は一日4本!?
長万部から倶知安や小樽を経由して札幌に向かう函館本線は174 km ですが、勾配区間が非常に多いために速度が出せず、かつては特急北海などが走っていましたけども、今は1日わずか4本の普通列車が走る超ローカル路線になっています。
かたや海沿いをトンネルでぶちぬきながら東室蘭や苫小牧を経由していく室蘭本線経由のルートは206.4 km と長いですけども特急列車が多く走るメインルートとなっています。
そのため倶知安経由のルートは函館本線というよりは山線のほうがなじみがあります。
2020年3月のダイヤ改正より新型車両H100型が導入
そんなローカル区間ではありますが、キハ40系という古いタイプのディーゼルカーがずっと走っていましたけど、 出力が弱いこともあって特に冬の降雪時に安定した運行に支障が出るとのことで、2020年春のダイヤ改正より新型のH100形車両に置き換えられました。
JR北海道の2020年春のダイヤ改正の内容より
H100形は電気式気動車(DECMO)
H 100形気動車は最近流行りのディーゼルエンジンで発電をして、電気の力で走る車両です。
実際に乗車してみると、まだまだ新車の雰囲気が残る感じで、左側は一列のボックス、右側が2列のボックス、両端部にロングシートを配置しています。
トイレも洋式のものが配置されており、外国人の方でも安心して利用出来ます。
着席定員は30名くらいと少ないのですが、長万部駅出発時点で10人もいないくらいでしたので、1両編成のこの車両で十分かなと思います。
評価したい点は2点あります。
一つはパワーの違いです。キハ40系と比べて明らかに余裕のパワーで坂道を上っていきますので、今の時点のダイヤはまだキハ40系当時のものなので、もう少し速度を上げて時間短縮も図れるのではないかと思います。
もう一つは窓から来るすきま風がほとんどないことです。こちらもキハ40系の時は窓側に座るとすきま風が結構寒かった印象なのですが、それをほとんど感じませんので車内も暖かく過ごすことができました。
ニセコ駅あたりで日が暮れる
この区間はいくつか駅が廃止になったこともあり、駅と駅との間が10分くらいかかるのがザラです。
1時間ほど走ったニセコ辺りですっかり日が暮れてきて、山のスキー場のナイターの明かりが目立ってくるとニセコ駅に到着します。
ここではスキー客が数名下車し、代わりにインストラクターと思わしき人が二人乗車してきました。
二駅走って倶知安に到着します。ここでは反対列車の行き違いなどで20分ほど停車をします。 反対列車もうこの駅で25分近く停車をしているので、おそらく運転手の休憩時間にあてているのではと思われます。
然別駅で下車して、反対列車に乗り換え
三つ先の然別で下車をして、やってくる反対列車に乗り換えます。
小樽から倶知安の間は多少本数が多くなり、一部は札幌まで直通の快速列車があります。
この快速列車にはキハ201系が当てられており、朝と夜しか走っていないのでここで乗り換えて乗車をしてみることにします。
キハ201系は電車である731系と連結して運転されるという非常に珍しい車両です。つまり出力が電車とほぼ同じ性能であると言うことになります。パワーを持て余すためか結果的に12両しか作られませんでした。
乗り換えすべきホームの場所を勘違い?!運転士にメチャ怒られる・・・
さてこの然別駅ては実はやらかしたことがあります。
乗り換えが反対のホームということで、今きたホームの端まで行って線路を渡り、先入観でその反対側にホームがあるものだと思って歩き出したのですが、これが全くの勘違い。
止まっている列車の運転士さんが窓を開けて、「そこを歩くと危険ですすぐに離れてください。」とめちゃくちゃ怒られました。
焦って今来た道を戻りよくよく見回してみると、 小樽行きの列車の斜め前に倶知安行きのホームがありました。
少々落ち込みながら列車を待っているとほどなく倶知安行きのキハ201系3両編成がやって来ました。
明らかにパワーの違うキハ201系
札幌から直通する唯一の列車で、3両編成の割には3割近い乗車率でした。
H 100系と比べても明らかにパワーの違いを感じます。 乗車したのは然別から銀山までの一区間ですけども、勾配の強い区間ではありますが、ぐいぐいぐいぐいと登っていきました。
H 100系は大体70 km くらいまでは加速性能が良い感じですけどもそれ以上はパワーは求められていないような感じです。それに比べてキハ201系は120 km 運転を前提に作られているので、そこが大きな違いだと感じました。
銀山駅から再び小樽行きへ
本来ならばもう一つ先の小沢駅まで行って乗り換えるつもりでしたが、1回通り過ぎた時に跨線橋を渡って乗り換えする必要がありそうだったので、わずか1分の乗り換え時間で失敗すると大変なことになるため、銀山駅で下車し、30分近く待つことにしました。
この駅は保線用の係員の人が寝泊まりする駅のようで、駅舎の中に待機施設がありました。
民家は駅の下の方にあるようで、高校生とかも下車して下へ降りていくと、あっという間に物音一つ無い感じになりました。風もないので気温は氷点下2°くらいですけどもそんなに寒さは感じません。
ホームのところは除雪されていますけども、他の雪の壁を見ると1 M ぐらい積もっているのが分かります。
倶知安始発の H 100型一両に乗車して小樽へと向かいます。この列車の乗車率も2割くらいでした。余市からは多少の乗車があり、蘭島、塩谷と停車して小樽駅に20時44分に到着します。
各駅停車江別行きで札幌へ
小樽からは20時55分発の普通列車江別行きに乗車します。
この列車は721系と731系混結の6両編成です。
銭函駅までは721系に乗り、そこから先は731系に乗りました。
721系は快速エアポートなどに使われていた転換式クロスシートの車両ですので、ゆったり座れるもののすきま風が結構入ってきました。
731系はロングシートですけどもすきま風などが改善されているので、むしろこちらの方が乗り心地が良かった感じがしました。
ほしみ駅からは札幌のベッドタウンという感じになって、各駅ごとに乗降があり、高架へとあがっていき札幌に到着します。
最後は特急カムイ45号で旭川へ
本日の仕上げは札幌22時ちょうど発の特急カムイ45号で旭川へ向かいます。
5両編成で自由席が4両あるので、問題なく窓側の座席を抑えることができました。
発車すると、同時刻に発車した室蘭行きの特急すずらん号と並走して、すぐに追い越して行きます。乗車率は4割程度といったところで、次の岩見沢で半数が下車していきました。
終点の旭川には23時25分の到着、6時20分のこだま号からスタートして17時間ほどと長い一日でした。
駅前のワイズホテルが35%OFFのキャンペーンをしていて、3,640円で泊まることができました。翌朝も早いので早々に就寝です。