名古屋駅を発車した快速みえ7号に揺られ、桑名へ向かう。
窓の外の景色は、都市の喧騒から少しずつ離れ、川と緑が目立つ風景へと変わっていく。
高架やビル群が続いていた車窓も、次第に空が広く感じられるようになった。

--目次--
単線区間ならではの静かな時間
この区間、本来なら快速列車は軽快に走り抜けるはずだ。
しかし関西本線には単線区間が多く、途中の駅や信号場でたびたび行き違い停車が発生する。
相手列車の通過を待つ数分間。
エンジン音だけが低く響き、車内には静かな時間が流れる。
こうした“待ち時間”も、単線ローカル幹線ならではの味わいだ。
キハ75系の力強い走り
信号が変わり、列車が再び動き出す。
2両編成のこぢんまりとした列車。
一部座席は指定席となっており、通勤輸送と観光輸送の両方を担っている。
使用されているのはキハ75系。
ディーゼルカーながら最高速度120km/hを誇り、鋭い加速性能を持つ車両だ。
エンジンを唸らせながら加速する姿は、とても気動車とは思えないほど軽快だった。
🚆 キハ75系とは
キハ75系は、1993年にJR東海が投入した快速用気動車。
主に快速みえや急行かすがで活躍し、
高い加速性能によって単線区間でのダイヤ回復にも力を発揮してきた。
現在でも関西本線・伊勢鉄道方面の主力車両として活躍している。
木曽三川を渡る
やがて列車は愛知県から三重県へ。
車窓の主役が、川へと変わっていく。
伊勢湾へ注ぐ三本の大河を、快速みえは次々と橋で渡っていく。
- 木曽川
- 長良川
- 揖斐川
いわゆる「木曽三川」だ。
広い川面と鉄橋。
その向こうには低い街並みと空が広がり、東海地方らしい風景が続いていく。
桑名へ、東海道の宿場町へ
三つの川を渡り終えると、列車は桑名へと近づいていく。
桑名駅は、かつて東海道の宿場町として栄えた街。
「七里の渡し」で知られ、海路によって宮宿と結ばれていた歴史を持つ。
単線区間での小さな停車。
川を渡る長い鉄橋。
静かに流れるエンジン音。
快速みえの短い旅には、そんな東海道の余韻が今も残っていた。


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