〜旅先の景色より「音」を記録する、静かな鉄道旅〜
はじめに|早く着かなくてもいい旅がある
新幹線や特急列車に乗れば、目的地まではあっという間です。
けれど、もし「急がない旅」ができるとしたら、どんな時間が流れるでしょうか。
私は、日本全国の鉄道路線を
あえて各駅停車だけで乗り継ぎながら旅をし、そのすべてで列車の走行音を録音してきました。
観光地を巡る旅でも、鉄道マニアのための記録でもありません。
この連載でお届けしたいのは、
耳で感じる、ゆっくりとした鉄道の旅です。
各駅停車で旅をすると、音が主役になる
各駅停車の列車は、速くありません。
停まり、走り、また停まる。その繰り返しです。
でも、そのおかげで──
- レールを踏みしめる音
- カーブで車体がきしむ音
- モーターの力強さや、静けさ
- トンネルに入った瞬間の空気の変化
そうした普段は意識しない「音」が、自然と耳に入ってきます。
特別な知識がなくても、
「なんだか落ち着く」
「懐かしい気がする」
そんな感覚で楽しめるのが、各駅停車の魅力です。
観光目線ではなく「記録としての音」
この旅では、有名な観光地を紹介することはあまりありません。
写真も、いわゆる“映える”ものばかりではないかもしれません。
代わりに大切にしてきたのが、
その路線、その列車、その時間にしか残せない音です。
同じ形式の車両でも、
- 地方の短いローカル線
- 都市近郊の通勤路線
- 海沿い、山あい、平野部
走る場所が変われば、音も変わります。
その違いを、ありのまま記録してきました。
BGMのように聴いてほしい列車の走行音
この連載では、今後
- 各路線の簡単な背景
- その区間で録音した走行音
- 乗っているときに感じた空気感
を、少しずつ紹介していく予定です。
音声は、
「じっくり聴き込むもの」ではなく
家でくつろいでいるときや、作業中に流すBGMのように
楽しんでもらえたらうれしいです。
目を閉じると、
知らない町を、ゆっくり走る列車に乗っている。
そんな感覚になってもらえたら、この記録は十分役目を果たしています。
写真と音声について
この記事や今後の回では、
- 車窓の写真
- 駅の風景
- 実際に録音した走行音
を随時掲載していきます。
📷 車窓や途中下車した時の様子を上げていきます。



🎧 こんな感じで、毎日掲載をしています。
文章を読みながら、
あるいは音だけを流しながら、
それぞれの楽しみ方で付き合っていただければと思います。
この連載でお伝えしたいこと
- 鉄道に詳しくなくても楽しめる
- 目的地がなくても成立する旅がある
- 「早さ」ではなく「時間」を味わう移動も悪くない
そんなことを、
各駅停車の音を通して、少しずつお伝えしていきます。
次回は、
実際にどんな方法で全国の路線を回り、録音してきたのか
その始まりの話から書いていく予定です。
どうぞ、気負わず、ゆっくりお付き合いください。

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