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白銀の釧網本線 

ひとり旅
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旅行遂行士による乗り降り旅
旅行遂行士による乗り降り旅
白銀の釧網本線 
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――眠り揺れる車内、風雪の原野を突き抜けて

2021年3月10日 摩周駅 → 磯分内駅

摩周駅のホームに、短い停車時間が過ぎていく。

キハ54のドアが閉まり、再びディーゼルエンジンが唸りを上げる。
車内には青春18きっぷを手にした旅人たちが、それぞれの旅の続きを静かに受け入れていた。


車内に広がる、旅人の時間

網走から乗り続けているのだろうか。

窓際の席に深く沈み込んだ乗客が、いつの間にかうとうとしている。
揺れるたびに少し頭が傾き、また戻る。

長距離列車の中でしか味わえない、あの心地よい転寝。
低く響くエンジン音が、まるで子守唄のように車内を包んでいた。


国道391号と並走する原野

列車が走り出すと、すぐに見慣れた光景が広がる。

国道391号線との並走区間。
ひたすら真っ直ぐ、ひたすら白い。

道路と線路が寄り添いながら、
広大な原野の中を貫いていく。

対向車もほとんど見えない冬の国道は、
どこか世界から切り離されたような静けさを漂わせていた。


気づかぬまま通過する「駅」

途中、南弟子屈駅があるはずだった。

時刻表には確かにその名が載っている。
しかしキハ54は速度を緩めることもなく、
白い原野をそのまま走り抜けていく。

ホームがあったのかどうかさえ定かでない。
気づけば、もう通り過ぎていた。

「駅」とは何なのか。
そんなことをふと考えさせる、静かな通過だった。


14.7キロの駅間を走る

次の磯分内まで、14.7キロ。

北海道でも決して短くはない駅間距離を、
列車は淡々と刻んでいく。

白い野原と冬枯れの林が、
単調なリズムで流れ続ける。

その繰り返しが、やがて時間の感覚を曖昧にしていった。


磯分内駅の個性ある駅舎

やがて前方の景色に変化が生まれる。

磯分内駅が近づいてくる。

ホームの向こうには、しっかりとした駅舎。
貨車駅舎が増えた今、この存在はどこか新鮮に映る。

白い壁面に、大きな三角形の破風。
そこに刻まれた「磯分内駅」の文字。

思わず、緑駅を連想してしまうような佇まいだった。

こうした駅舎に出会うと、
旅をしている実感が、ゆっくりと胸に広がってくる。


磯分内駅 到着

列車は静かに速度を落とし、
磯分内のホームへと滑り込む。

転寝していた乗客は、まだ眠ったままだった。

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