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三月の夜。
空は雲に覆われているが、雪は降っていない。風も鳴りをひそめ、静けさだけが駅を包んでいる。
函館本線・仁木駅。
小さなホームに、H100系の気動車がひっそりと停まっています。
乗客わずか十人ほどの単行列車
1両編成の普通列車、小樽行き。
車内にいる乗客はざっと十人ほど。
それぞれが思い思いの席に腰を落ち着け、
窓の外の闇をぼんやりと眺めています。
ホームには足跡が残るものの、人影は少なく、
どこか寂しさを感じさせる夜の駅です。
ドアが閉まり、低く唸るディーゼル音
やがてドアが閉まり、
ディーゼルエンジンが低く唸りを上げます。
列車は静かに動き出し、
仁木の灯りがゆっくりと遠ざかっていきます。
函館本線の線路は、果樹園の広がる平野へ。
りんごの木々は葉をつけず、
枝だけを夜空に広げて、
列車の通過を黙って見送ります。
夜に響くジョイント音
小樽まで、あともう少し。
車内には話し声もなく、
レールの継ぎ目を刻む規則正しいジョイント音だけが
静かに響いています。
都市の喧騒とは無縁の、
ローカル線の夜。
音だけが、この時間の流れを伝えてくれます。


