標高1,000m越えの高原鉄道
小海線とは
山梨県と長野県を結ぶ高原鉄道区間
小海線って知ってる?
うん、清里とか野辺山に行く時に乗るんだよね
それじゃ、小海ってどこのことなのか知ってる?
え、そう言われると、どこにあるんだろ?
小海線は山梨県の小淵沢駅と長野県の小諸駅を結ぶ78.9kmのローカル線で、JRの中では最も高いところを通る路線です。
ちなみに小海駅は小淵沢から48.3kmの地点にあるので、少々小諸寄りになります。
小淵沢~小海と小海~小諸で様変わりする路線
小淵沢駅も標高881mと高いところにあり、40kmほど離れた甲府駅が標高282mなので、600mも登ってきているのですが、JRで最も高いところに位置する野辺山駅は標高1345mで23.4kmの間に464mも登るなど急勾配が連続します。
野辺山からは下り一辺倒になりますが、小淵沢から小海の間にある9つの駅がJR内の標高の高い駅のトップから9位までを占める、まさに高原鉄道といわれるようなところを走ります。
小海駅から小諸駅までは小諸駅も標高が663mと高いところにあるので、小海駅からは少々下り坂ですが、中込駅から小諸駅まではほぼ平坦なところを走ります。
小海駅から小諸駅までの30.6kmの間に駅が20もあるので、平均距離はわずか1.5kmと短く、この区間はかつて佐久鉄道という私鉄として作られた区間という特徴があります。
また終点近くの乙女駅と東小諸駅はしなの鉄道と並行しているので、運が良ければしなの鉄道の列車とすれ違いをすることもあります。
観光列車 HIGH RAIL 1375も走る
小海線には土日を中心に観光列車のHIGH RAIL 1375が走っており、快速の全車普通車指定席なので青春18きっぷでも指定券を購入すれば乗車することができます。
座席もリクライニングシートやカウンター風のものが並び、浅間山や八ヶ岳などの景色を楽しめるように大きな窓になっています。
アテンダントによる観光案内が行われたり、夜に走る星空列車の時は野辺山駅に長時間停車して星空観察を行ったりという使われ方もしています。
現在では販売を終了してしまいましたが、かつては沿線の高原野菜などを使用したお弁当が売られたりしてました。
実際に乗車してみる 小淵沢→小諸
2021年3月14日に小諸から小淵沢へ、2022年4月9日に小淵沢から小諸へと乗車してきたので、両方の写真(ほぼ横アングルが2021年、縦アングルが2022年)をのせていきます。
小淵沢→野辺山
小淵沢から野辺山までは基本的には混雑します。特に夏は清里へ向かう人たちが多く乗り込むので、野辺山までの臨時列車が運転されたりしながら乗客をさばいていきます。
小淵沢を出るといきなり大きな右ヘアピンカーブを進みながらグングンと坂をのぼっていきます。森の中から富士山がチラッと見られる場所もあるので清里駅あたりまでは車窓の移り変わりが楽しめます。
甲斐大泉駅から清里駅の間にも左→右→左とΩ型のカーブがあり、右カーブをしている時の左側に吐竜の滝が見られます。
清里を出ても上り坂が続きますが、エンジン音が軽くなったな?と思ったら車窓の右側にJR最高地点の石碑が見られ、直線を走っていくと野辺山駅に着きます。
野辺山→小海
野辺山からは観光地もなく、ひたすら千曲川に沿いながら山の中を下りていきます。
乗客数も少ないのでローカル線らしい区間ともいえます。
カーブと勾配の影響で速度もあまり出ない区間が続き、佐久海ノ口駅のところでようやく国道141号線が並走してきて少し開けてきます。
近くの山が迫ってくるので遠くの眺望がきかないので、川を渡るところを地図アプリで追いかけながら見ていくと時折河原に動物がいたりすることもあるので、ここで昼寝するのはちょっと勿体ない感じですね。
小海→中込
小海からは小刻みに駅が現れてきて、再び乗降客が増えてきます。
この先は千曲川を渡ることはなく、右岸に沿う形で中込駅まで進み、中込駅の手間で分かれます。
臼田駅の手前にはコスモタワーが見えたりして、徐々に速度を上げながら走るようになります。
中込駅はここ止まりの列車もあるのですが、市役所は少し北の北中込駅のほうが近かったりとそれほど乗車率は高くありません。
中込→小諸
中込を出ると各駅ごとの乗り降りが多くなってきて、北陸新幹線に乗る人たちがスーツケースを持って乗り込んできたりします。
岩村田駅を出ると高架に上がって北陸新幹線との接続駅である佐久平駅に着きますが、新幹線が下にあるという変わった駅で、少々長い通路を通って乗り換えとなり、ここで乗客が入れ替わり小諸へと向かいます。
浅間山が車窓にはっきりと見えてきました。
しなの鉄道と合流して乙女、東小諸を通ると終点小諸駅です。