青春18きっぷ ローカル線修行の旅③大糸線

ひとり旅

2つのJRに分割された色の異なる路線

大糸線とは

大糸線とは新潟県の糸魚川駅と長野県の松本駅を結ぶ105.4kmの路線です。
名前が”大”と”糸”なのは、開業当時松本~信濃大町は別の私鉄があったので、信濃”大”町と”糸”魚川を結ぶ路線ということで、のちにその私鉄も含めて1つの路線となったのですが、名前は変わることなく今に至っています。
名前とは裏腹に現在では南小谷駅で運行形態が分断されていて、運行会社もJR西日本とJR東日本に分かれるなど大きく異なります。

JR西日本区間

JR西日本の区間は糸魚川駅から南小谷駅までの8駅、35.3kmとなります。
糸魚川で接続するのは北陸新幹線とえちごトキめき鉄道で、北陸新幹線の上越妙高駅を除けば一番東側にあるJR西日本の在来線です。
この区間はディーゼルカーがほぼ1両で走り、一日7往復のみという超ローカル線で存続の噂も流れるような閑散としたところを走ります。

JR東日本区間

JR東日本の区間は南小谷駅から松本駅までの32駅、70.1kmとなります。
特に信濃大町駅から松本駅までは私鉄を買収した経緯から駅間が短いのが特徴です。
標高がもっとも高いのが簗場駅で828mになり、その他の駅も500m以上のところにあり、北アルプスの山々が車窓に広がるので晴れた日の眺めは特に美しいです。
またスキー場も沿線に多く存在しているのと、信濃大町からは黒部アルペンルートへと接続をしているので四季を通じて観光客が多く訪れる区間です。
特急も首都圏から毎日1往復、多客期には名古屋方面からも臨時の特急がやってきます。

糸魚川から松本まで大糸線に実際に乗ってみました

2022年4月10日、日曜日に糸魚川から松本まで乗車してみました。
なお、青春18きっぷが使える日でもあったので、混雑を避けるべく前日に糸魚川に泊まって糸魚川始発の列車で移動しています。
糸魚川6:00→南小谷7:20
南小谷7:26→信濃大町8:23
信濃大町8:37→松本9:33

糸魚川→南小谷

糸魚川駅近くのホテルえびやさんに前泊し、5時半過ぎにチェックアウト(前夜出発時間を聞かれた時にカギをフロントに置いていって下さいと言われた)し、徒歩5分ほどで海岸にある展望台に出られるとのことで日本海を眺め、駅の新幹線口にあるキハ52をガラス越しに見ながら改札へ。
まだ人がいなかったので青春18きっぷの開始押印は先の駅になりそうです。

糸魚川→平岩

既に止まっていた1両のキハ120には2人ほど乗っており、ボックス席は4つなのでそのうちの1つに着席。5:17に直江津を出る列車が5:53に糸魚川に着くので、ここから1人乗り換えてきてボックス席は1人ずつ、あとはロングシートに2人で発車。
えちごトキめき鉄道とすぐ分かれていよいよだぁと思うと車窓右にはセメント工場。あれっ?というギャップを感じつつ国道148号線が寄り添ってきて姫川駅。
遥か向こうに雪をかぶった山が見えてきて頸城大野駅を過ぎ、山が前にも迫ってくる感じの行き違い駅である根知駅からは本格的に上り坂で、糸魚川駅の標高5mから南小谷駅の513mまでをうなりを上げながらゆっくりと進んでいきます。
トンネルと雪崩覆いが連続し、時折渡る姫川も堤防で整備された感じではなく、雪解け水が泥を含んだ茶色い流れとなって勢いよく流れています。
発電所の施設が川に沿うように見えて小滝駅を過ぎると、対岸の国道148号線も雪崩覆いの下を走るようになり、長野県との県境にある長いトンネルを抜けていくとダムから勢いよく流れだすところが目に入ったりします。再び姫川を渡ると新潟県に戻り、やたらと構内が広い平岩駅に到着します。
ここで行き違いがあるわけではないのですが、16分の長時間停車があります。
平岩発車は6:54ですが、このあとに6:58着の平岩止まりがあるので両方一緒にしても良さそうな気もするのですが、何か事情があるのでしょう。
一旦皆さん外に出て体内の空気の入れ替えをしたり、駅の外観を撮影したりしています。

平岩→南小谷

平岩を出て川を渡ると再び長野県に入り、長いトンネルで完全に新潟県と離れていきます。
まだしばらくは姫川に沿う形で進み、徐行区間をはさみつつも少しずつ開けたところに出ると北小谷駅。
アルプスの山々が少しずつ近づいてきて中土駅に到着するとディーゼルカーの速度も上がってきて終点の南小谷駅に到着します。
ここでは同じホームの反対側に信濃大町行き電車が待機していました。

南小谷→信濃大町

南小谷からはE127系の2両編成ワンマン運転に乗っていきます。
ここではほとんどが乗り換え客だったので車内は余裕で座れます。

南小谷→白馬

しばらくは速度制限区間なのか、40km/hくらいでゆっくりと進んでいき、姫川を一度渡って千国駅に入ります。もう一度姫川を渡ると白馬大池駅で、ダム湖となった姫川を渡ってカーブをするあたりで前面に突然でかでかとアルプスの山並みが現れるので、ここはかぶりついてでも見たいところです。
呆気にとられている内に列車もカーブ区間を過ぎて速度を上げて信濃森上駅に着き、もう一度姫川を渡ると白馬駅です。

白馬→信濃大町

白馬から南神城までは右手にアルプスを眺めながら進み、糸魚川からずっと寄り添ってきた姫川も細くなって見えなくなると、仁科三湖が現れてきます。
風もなく穏やかな青木湖の湖面を過ぎると簗場駅で、大糸線の最高点を過ぎるとゆるやかに海ノ口駅のある木崎湖へ下っていきます。
引き続きアルプスを右手に眺めながら直進していくと乗換案内が流れて信濃大町駅に到着します。

信濃大町→松本

信濃大町駅からの松本行きは階段を渡っての乗り換えで、E127系の2両で松本方面に向かう人が既に多く乗車していたのでロングシートを確保し、乗り換え時間の間に駅窓口で青春18きっぷの押印をしてもらいました。
ここからは高瀬川に沿いながら川沿いにできた平地をこまめに停車しながら走っていきます。

信濃大町→穂高

南大町で高瀬川を渡り、信濃常盤駅までの3.1kmの区間が最長で、あとは2~3kmで駅があります。
全線単線区間なのですが、信濃大町からは時間1本と多くなるので行き違いできる駅も増えますが、車内も続々と乗車してきて立ち客がでるくらいの盛況となります。
このあたりでは高瀬川とも離れた場所を通っており、穂高駅の東側でこの先で渡る梓川と合流しU字形に再び北上して長野の手前で千曲川に合流するという壮大な動きをします。
眺めも左手に時折志賀高原の山々が見えるなど開けてきます。

穂高→松本

豊科までは国道147号線と並走し、川の対岸5キロくらい離れたところには篠ノ井線の明科駅や田沢駅があります。
少し大回りをするような感じで中萱駅、一日市場駅を通り、梓橋駅を出るとすぐに梓川の流れを渡ります。上高地から流れてくるのもあってか水が透き通っていました。
島内駅で行き違いをすると左手から篠ノ井線が近づいてきて北松本駅に到着。乗り換え案内などは島内駅を出たところでアナウンスされました。これは北松本~松本が0.7kmしかないためです。
松本駅の6番線に到着すると7番線側には現在代行バス運転中のためお休み中の新島々行き電車が停留しています。
駅に着くと流れる「まつもとぉ~まつもとぉ~」の自動放送のアナウンスは上野駅や長野駅とともに旅情をかきたてる演出として有名です。
この日は近くの松本城まで歩いて桜を見てきました。

タイトルとURLをコピーしました