今回は浜松市を中心に、農業の生産者、販売者、消費者をつないで新たな価値の創造を目指しているユイサポートの玉置様にインタビューさせていただきました。
先日3月16日に行われた”浜松いわた信用金庫主催チャレンジゲート”の創造・ベンチャー部門で特別賞を獲得されています。

はままつスタートアップ発行の起業やらまいか新聞にも掲載

農作物を育てる大変さを目の当たりに

私の子供たちの世代に担い手はいるのか?

Q.まず、この会社を立ち上げるまでに至ったプロセスについて教えていただけますでしょうか。

A.専業主婦になって子育てをしている時に、近所の農家の様子を見ていて、皆さん高齢で頑張られてるなとおぼろげに思っていました。
しかし、食を守る立場であるこの農家さんたちは子供が育つ頃にはもう農家を出来ない可能性が高いです。果たして引き継いでくれる人はいるのだろうか?そうでなければ、食は大丈夫なのか?ただでさえ自給率が4割にも満たない中で・・・と不安感が大きくなったことがきっかけです。

農家さんの取材風景

農家の将来は魅力的では?

Q.自分に何が出来るか?という思いからの行動という事でしょうか。

A.はい。現状では35歳以下の農業労働者率が非常に少ないのですが、これが従事者が増えることでクリア出来れば、みんなで集まって地域の特産品でも作りながら、それを輸出して海外の人に楽しんでもらえればいいなと考えていると、この現状はピンチに見えるけど実はチャンスなのかな?と思いました。

協力農家さんの野菜たち

浜松市の”想いをカタチに”講座へ参加

Q.そんな中で具体的にどのような行動に出られたのでしょうか?

A.これもネットで調べていく内にたまたま見つけた浜松市のあるNPOで「想いをカタチに」という講座があったので、早速申し込んで受講しました。
主に事業計画について学び、最後のプレゼン発表においては、現在も取り組んでいる”Maman”の企画について発表させていただきました。

転機となった出会い

プロダクトリング株式会社との出会い

Q.学んだことを実際に形にしていくのは大変だと思いますが、どのように実現していったのでしょうか。

A.はい。実は一度起業をしてみようとも考えましたが、受講中にお会いした方の中でプロダクトリング株式会社代表の山本様と知り合って、いろいろ相談していく中で、「良かったらウチの会社でやってみるのはどう?」と話をいただき仲間に加えていただきました。
この会社は輸出事業を展開している会社で、私は国内事業部を担当させていただき、新たにMaman事業部を立ち上げました。

イベントの中で。子供たちにも分かりやすく食の大事さを伝えていきます。

商品開発よりコミュニティ作り

Q.とても素敵な出会いがあったんですね!その中では主にどういったことを手掛けてこられたのでしょうか?

A.商品開発を手掛けようとしましたが、なにぶん時間も予算もかかるので、まずはもう1つの土台であるコミュニティ作りに取り組みました。

あふれる情報から使えたのはフリーペーパー

Q.Webマガジンとかではなく、あえて紙の媒体にしたというのはどんな理由だったのでしょうか?

A.ネット上には沢山情報があふれていて、どれが正しいのか、そして自分の役に立つのかが分からなくなってしまったんです。そんな時にふと取ったフリーペーパーに欲しかった情報が載っていて!あ、こんな身近なところにあるんだ!と。
読まれたら捨てられてしまうような冊子ではなく、見える場所に置いてもらったり、記事を切り貼りしてもらって利用してもらえる冊子にしたい、そして手渡しで情報をリレーしていければと思いました。

やりながらコアなことが出来る人に声掛けしていく

Q.手掛けられているフリーペーパーは、ローカルネタが沢山ありますね。記事はどのように集めているのでしょうか?

A.フリーペーパーの発行も含めて、地域のお母さんと食をつなぐ仕組みが、「Maman」でして、皆さんで地域食材を使ったお菓子とかを作ってみたりしながらフリーペーパーMamanの記事にしたり、提携していただいているお店の紹介やイベントの告知といったことを行っています。
Mamanのネーミングから母親だけ?と思われがちですが、子供を取り巻く大人の人にも見ていただきたいものなので、男女年齢問わずサポートされる方がいらっしゃいます。
取り組みをやっていくうちに、自らイベントを企画したりすることに興味を持つ人が出てきましたので、運営やプロモーションといった部分も手伝ってもらえるようになってきています。

情報誌は年1回。年間通して見返していただけるよう工夫を凝らしています。

食の実情を理解してもらって購入してもらう

Q.Mamanの運営も会社事業の一部ですから、利益の追求もしなければなりません。それについてはいかがでしたでしょうか。

A.農家の作物の価格設定については毎回悩んできました。安売り競争にしてしまうと当然利益が圧迫されますし、そもそも農家の方の苦労をずっと目にしてきているので、この価格で果たしていいの?!と思う作物が多いのです。
1つ1つの作物に、どんな苦労と愛情を注いでいるのか、その上で設定した価格で販売させていただいています!ということを説明しており、それを理解してご購入くだるお客様が多いのはありがたいですね。

耕作放棄された土地への関心、危機意識の希薄化

Q.やはりそこには、農家の次の担い手がいないという危機感、不安感からというものが大きいのでしょうか?

A.そうですね。国内全体の食の自給率は39%しかありません。ですが農地はどんどんなり手が減って耕作放棄され草だらけのところが増えています。私の周りでも3年の間に3分の2の土地が耕作放棄されています。
輸入に頼っている現状ではいざという時にすぐにお手上げになってしまうので、適正価格になってきちんと農家へ利益が還元されるべきです。そうなれば進んで農作をはじめようとする人も出てくるでしょうし、増えることで価格がやがて下がってくるでしょう。今のままで全ての輸入が止まってしまったら?という危機意識が希薄なのでそれを回復させたいです。

お互いの強みを活かすべく独立

起業後3年経ち、国内事業部の仕事を切り離して引き継ぐ

Q.プロダクトリングの中でもこの活動は出来るのでは?とも思ったのですが、3年やってこられたこの時期に独立されたというのは何か理由があったのでしょうか?

A.お互いの強みを活かし、更に発展を目指して地域に貢献していこう。と話し合った結果、独立させていただいて連携することを選択しました。

地産地消で回していける経済活動

Q.独立されてから新たに取り組んだものとしてはどんなことがありますか?

A.こども園などに給食の食材として地元農家さんのものを卸すようにしたり、地産地消の流れを多くするようにしています。
協賛、協力してくださる企業や農家さんも25を超えており、先日のチャレンジゲートで発表させていただいた、”Yui~結”について、より多くのサポートをいただくように取り組んでいます。

お互いが助けあい、共に頑張るという意味を言葉とイラストに込めています

今後の展開

浜松という農家に適した環境

Q.今後の展開についてうかがいたいのですが、その前に、この浜松という土地は農業をする上で恵まれている場所なのでしょうか?

A.はい。浜松は農業をするにはとても恵まれていると思います!
まず農家の数が2010年の資料で全国1位、農家率も4.6%と高いです。
(※浜松市HPより引用)
生産者、作る品目も多いですし、日照時間も全国有数に多いです。
地形的にも温暖であると同時に、三方原台地は芋作りに最適であったりと良い土に恵まれ、天竜川や浜名湖、遠州灘といった水に恵まれ、平地も山地もほどよくあるなど、様々な点でいいところばかりです。

住む人には気づきにくい利点が浜松には沢山あります。

農から人を呼び込む仕掛け作り

Q.となると、農業を活性化させていくことになるのでしょうか?

A.そうですね、さきほど挙げた特性を生かして美味しい農作物を作り、それを地元で加工して食べていただけるようにして、浜松まで足を伸ばして食べにきてもらいたいです。実際の浜松を体感していただくことで、浜松のファンを増やしていければ、新たな農業の担い手も生まれてくるでしょうし、美味しいものを世界にも発信して、世界へ輸出出来るようにもしていきたいですね。

イベント出店の際もコンセプトを理解していただけるように説明しています。

七菜食プロジェクト

Q.その考えに基づいて出来たものが、七菜食プロジェクトになるのでしょうか?

A.このプロジェクトは地域食で地域の特色(食)を創る!地域全体で地域の食を発信しようと始まったものです。
皆さんの一人一人の考え(色Color)が、同じ目的を持ったベクトルを伸ばしていきたい!という想いで作ったものなので、是非成功させたいです。

ホームページ・リンク

ユイサポートのホームページ