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なぜ、走行音だけのサイトを作ったのか


― Uto Uto誕生までの話

―― そもそも、走行音を録り始めたのはいつ頃からですか?

2021年の3月からです。実はその2年ほど前から、走行中の車内動画を1分くらい撮り溜めていたんです。ただ、スマホだと容量に限りがあって、保管の面でも悩んでいました。

そんな時、たまたまネットショッピングのキャンペーンでボイスレコーダーをもらったんです。それなら容量も少なくて済むし、そもそも音質を追求しても専用機材には絶対かなわない。だったら環境音として記録に残しておこう、くらいの軽い気持ちで始めました。当時は「全国分集めよう」とか「各駅停車にこだわろう」なんて、まったく考えていませんでしたね。

―― 2018年に会社員を辞める決意をされていますが、きっかけは何だったのですか?

システムエンジニアと総務を兼任していて、自社開発しているシステムの言語がだんだん古くなっていくのを感じていました。新しい機能への対応も難しくなっていくだろうな、と。

役職は課長だったのですが、これ以上上に行くと、今度はユーザーからのクレーム対応など、最前線に出ないといけなくなる。そのプレッシャーも正直きつかったです。

そんな時期に影響を受けたのが、あるシンガーソングライターの方の「人生は一度限り」「やらない後悔よりやる後悔」というモットーや歌でした。それを聞いて、辞めようと思ったんです。

―― 独立されてから全国を旅する時間が増えて、走行音も溜まっていったと思います。「人に届けたい」と思うようになったのは、どんなタイミングでしたか?

はっきり意識し始めたのは2024年の終わりごろです。そこから「日本全国の路線を網羅しよう」「差別化のために各駅停車限定で全国制覇しよう」という目標を掲げました。

「人に届けたい」という気持ち自体は、実はもっと前からありました。よく通っていたライブハウスのオーナーや、喫茶店・飲食店のマスター、仕事柄なかなか休めない人、ペットがいて旅行に行けない人――そういう周りの人たちから、旅行記の投稿を毎回楽しみにしていると言ってもらえることがあって。いつかちゃんとした形にしたい、とずっと思っていたんです。

それが具体的な形になり始めたこの時期、AIが急速に普及してきたことで「近いうちに配信という形が現実的になるかもしれない」と感じたのも大きかったです。あわせて、当時勤めていた業界の仕事で心身ともに限界を感じていた時期でもあって。そこから離れるための、一つのいいきっかけにもなりました。

―― Uto Utoは「観光地だけでなく日常の路線も」「あえて各駅停車」という方向性ですが、これは最初からの構想だったのですか?

はい、これは最初からの構想でした。SNSを見ていると、観光路線や特別な列車、車両の引退といったイベント性の高いものは、もう十分すぎるくらい発信されています。でも、通勤路線の”いつも通り”を扱うものは意外と少なくて、各駅停車はあまり見向きもされない。青春18きっぷのような割引きっぷの使われ方を見ても、みんな速達性の高い列車を求めている。だったら、あえて逆を行こうと思いました。

各駅停車って1分か2分ですぐ次の駅に着くので、聴いていて飽きにくいという実用的な面もありますね。

―― 最後に、Uto Utoを聴いてくれる人には、どんな時間を過ごしてほしいですか?

正直、自分の使いたいように使っていただければと思っています。会員になっていただければ、3年かけて日本全国すべての路線の音が聴けるようになります。地図を見ながら、時刻表を見ながら、自分だけの旅を想像してもらってもいいし、好きな列車や路線を聴きながらそのまま寝落ちしてもらってもいい。

ゆくゆくは海外にも広げていきたくて、近いところだと台湾の鉄道で同じことができたらいいな、と思っています。


今日は、音でどこへ旅しますか?

Uto Utoでは毎週、新しいストーリー(録音)を配信しています。無料サンプルもご用意しているので、まずは気になる路線から聴いてみてください。

  • 無料:サンプルストーリーが聴き放題
  • スタンダードプラン(月額1,000円):配信済みの全ストーリーが聴き放題

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